香川県は瀬戸内海の東部に位置し、東から播磨灘、備讃瀬戸、燧灘の3つの海域に面しています。
本県の海域には多くの島々が浮かび、海岸線は総延長約721km、海域面積は1,923㎢あり、起伏の多い海底地形や複雑な潮流などにより、生息する水産動植物の種類が多く、高い生産性を背景に温暖な瀬戸内海気候とあいまって恵まれた漁業環境にあります。
このため、古くより多様な漁業が営まれ、明治以降は県外・外国への出漁も盛んになりました。一方、昭和3年、野網和三郎氏は、現東かがわ市の安戸池において、世界で初めてハマチ養殖に成功し、全国の魚類養殖の礎となりました。このような漁業者の創意と工夫の積み重ねが今日の本県の水産業と漁業地域の姿を形成しています。
本県の水産業は、海面漁業・養殖業を中心に、内水面漁業・養殖業及び水産加工業からなり、水産物の安定供給をはじめとして、海域環境の保全、海洋性レクリエーションの場の提供などの多面的な機能を有し、地域社会の中で重要な役割を担っています。